OBSOLETE PARTS

古い部品が、
倉庫に残り続ける。

何年も出ていない部品がある。

棚も使っている。

なら、 不要なものを捨てればいい。

話だけ聞けば、 非常に単純です。

でも実際には、 解決できません。

在庫は資産。
古くても注文は来る。
もう作れない部品もある。
最終ロットでまとめて持った部品もある。
発注ロットの都合で余る部品もある。

一つ一つを見ると、 残っている理由があります。

だからこそ、 単純なのに解決できない問題でした。

INTRODUCTION

非常に単純な話なのに、
解決できない。

倉庫には、 長期間動いていない部品があります。

何年も出庫されていない。

棚をずっと使っている。

その一方で、 新しい部品も入ってきます。

だったら、 古いものから整理すればいい。

やることだけ見れば、 本当にそれだけです。

でも、 実際には簡単に捨てられません。

「長く動いていない」だけでは、
「不要」とは判断できない。

倉庫だけを見ていると 単純に見える問題の裏に、 いくつもの事情がありました。

01 / ASSET

在庫は、
ただの「物」ではなく資産。

現場から見ると、 在庫は棚に置いてある部品です。

でも会社として見ると、 在庫は資産です。

だから、 現場で 「これ使っていないから捨てよう」 とはできません。

廃棄すれば、 資産としての処理も必要になります。

そのため、 倉庫だけではなく 総務など別部門も関わってきます。

棚に置いてある一個の部品でも、
会社から見ると資産だった。

現場として 「場所を空けたい」 と思うだけでは、 廃棄まで進められません。

02 / STILL ORDERED

古くても、
本当に注文が来る。

「何年も前の部品なら、 もう使わないだろう」

現場を見る前なら、 そう考えていたと思います。

でも実際には、 古い機種の部品にも 注文が入ります。

実際、 2006年頃のものに 受注が入ることもありました。

そういう現場なので、 10年くらい前の部品なら 感覚的にはそこまで古くありません。

10年物なら、
なんならまだ新しい方。

長く使われる製品を扱っていると、 一般的な 「古い在庫」 とは時間軸が変わってきます。

03 / NO LONGER PRODUCED

古い部品ほど、
もう作れないことがある。

古い部品には、 すでに生産が終わっているものもあります。

もう同じものを 発注できない。

代替が簡単に用意できるとも限らない。

そういう部品を一度廃棄すると、 後から注文が来ても 補充できない可能性があります。

古いから価値が低いのではなく、
古いからこそ代わりがないこともある。

出庫実績が少ないという理由だけで 廃棄するのが難しいのは、 こういう事情もあるからでした。

04 / LAST LOT

最終ロットだから、
全部買う。

生産終了が決まった部品では、 最終ロットとして まとめて確保することがあります。

今後もう作れない。

でも、 保守用として 注文が来る可能性は残る。

だから、 最後に必要そうな数量を まとめて持っておく。

ただし、 そのすべてが 実際に出ていくとは限りません。

「最後だから持っておく」と決めた在庫が、
そのまま何年も残ることもある。

でも、 最終ロットだからこそ、 後から簡単に捨てることもできません。

05 / ORDER LOT

欲しいのは少し。
でも少しでは買えない。

部品によっては、 発注ロットが大きいものもあります。

必要なのは数個。

でも、 発注条件として もっと多い数量を買わなければならない。

すると、 必要分を使った後に 残りが在庫になります。

次に注文が来れば使えます。

でも、 来なければそのまま残ります。

必要だから買った。
でも必要以上に持たざるを得なかった。

こういう在庫は、 単純に 「買いすぎた」 とも言い切れません。

06 / SPACE

残す理由は分かる。
でも棚は埋まる。

残っている理由を 一つずつ見ていくと、 どれも理解できます。

また注文が来るかもしれない。

もう作れない。

最終ロットとして確保した。

発注ロットの都合で余った。

資産なので 勝手に廃棄できない。

どれも、 残っている理由としては成立しています。

でも、 それを全部残し続ければ 棚は当然埋まります。

残す理由はある。
でも、残し続ければ棚は埋まる。

新しい部品も入ってくる以上、 保管スペースは有限です。

だからといって、 倉庫側だけで 古い部品を減らすこともできません。

07 / DECISION

誰が「もう要らない」と、
言えるのか。

倉庫側では、 長期間動いていないことは分かります。

どれだけ場所を使っているかも分かります。

でも、 その部品が 今後本当に必要ないかまでは 倉庫だけでは判断できません。

今後受注される可能性はあるのか。

もう作れない部品なのか。

代替部品はあるのか。

保守上どこまで残す必要があるのか。

資産として どう処理するのか。

いろいろな判断が絡みます。

物を持っている部署と、
捨てる判断をできる部署は同じではない。

だから、 倉庫だけでは 解決できない問題になります。

08 / SIMPLE BUT UNSOLVED

やることは単純。
でも、解決できない。

倉庫を空けたいなら、 使わない部品を減らす。

やることだけなら、 非常に単純です。

でも、 その前に 「本当に使わないのか」 を決めなければなりません。

最終出庫から 何年経っているのか。

今後受注される可能性はあるのか。

再度調達できるのか。

代替品はあるのか。

最終ロットとして 意図的に残したものなのか。

資産として どう処理するのか。

そして、 誰が最終的に 不要と判断するのか。

これらが一つの部署だけでは 完結しません。

問題は「古い在庫がある」ことより、
「不要」を決めきれないことだった。

だから、 問題自体は単純なのに 今も簡単には解決できません。

FIELD NOTE

「古いから捨てる」で済めば、
とっくに終わっている。

棚を見れば、 古い部品があることは分かります。

長期間動いていない部品も分かります。

だから、 問題だけを見ると単純です。

古い在庫を減らせばいい。

でも実際には、 在庫は資産です。

総務など、 倉庫以外の部署も関わります。

20年近く前の部品にも 実際に注文が入ります。

10年物なら、 なんならまだ新しい方です。

古い部品ほど もう作れないこともあります。

最終ロットだから まとめて確保したものもあります。

発注ロットが大きくて、 必要以上に在庫として残ったものもあります。

一つ一つを見ると、
残っている理由がちゃんとある。

でも、 その理由を全部受け入れて 残し続ければ、 倉庫のスペースは埋まっていきます。

だからといって、 現場だけで 捨てることもできません。

何年を基準にするのか。

今後の受注をどう見るのか。

再調達できない部品をどうするのか。

最終ロット品を どこまで残すのか。

誰が廃棄判断をするのか。

資産処理をどうするのか。

「使わない物を捨てる」 という非常に単純な話なのに、 それを決めるための条件が多すぎる。

そして、 倉庫だけでは決められない。

古い部品を見ていて、 現場には 改善したくても 現場だけでは解決できない問題があることを 実感しました。